中性脂肪が気になる人が知っておくべきこと
中性脂肪の正体
ご自身の中性脂肪の値を知っていますか?
健康診断で、毎年ひっかかる人、気にしている人もいるんじゃないでしょうか!?
健康診断の検査結果では「TG(トリグリセリド)」等の記号で表示されています。
中性脂肪って、なんとなく悪いイメージありますよね。
中性脂肪のいったい何が、どう悪いのか?
値が高い人のリスクは?どうしたらいいのか?
解説していきます。
中性脂肪って何!?
中性脂肪は、体内において重要な役割があります。
エネルギーの貯蔵です。
エネルギー源である糖(炭水化物)が少なくなると、
貯蔵されていた中性脂肪がエネルギー源として使われます。
(↓細かい解説は気になる人だけ読んでください。)
実際には、蓄えられた中性脂肪は、エネルギーが不足したときに、
「リパーゼ」という酵素によってグリセロール(グリセリン)と遊離脂肪酸(FFA)に分解されます。
ここで生成したFFAは大きなエネルギーを持っているので、不足したエネルギーを補うことができるのです。
中性脂肪は、体内にエネルギーを蓄積するための一つの形なのです。
中性脂肪が貯まる仕組み
消費エネルギーと摂取カロリーが釣り合っていれば
中性脂肪は蓄えられません。
すなわち、食べた分は消費すれば問題ないってことです。
しかし、朝昼晩と3食食べて、間食もして、お酒も飲んで。運動もしない。
現代人は、摂取カロリーの方が多くなりがち。
消費されずに余った中性脂肪は貯められ続け、皮下脂肪や内臓脂肪となるのです。
余った中性脂肪が、皮下脂肪や内臓脂肪に蓄えられているうちはまだギリギリセーフです。
実際、太っているのに中性脂肪は正常値という人も多くいます。
しかし、皮下脂肪や内臓脂肪に蓄えられる量には限界があります。
やがて限界がきてあふれ出します。
あふれ出した中性脂肪は血流にのせられ、行き場を探して全身をめぐります。
すると、
血中の中性脂肪値が上昇してくるのです。
中性脂肪が怖い理由
もう少し詳しく言うと、
中性脂肪が高くなると、血中の善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減少し、
一方、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増加します。
血中に増えた中性脂肪や悪玉コレステロールは、
血管の壁や分岐部分にへばり付いて、血流を阻害します。
その結果、動脈硬化が進行するのです。
動脈硬化は、心筋梗塞、狭心症、脳卒中など、命に係わる病気の引き金になります。
さらに、これらの病気の怖いところは前兆が分かりづらく、突然発症することも多い。
だから、中性脂肪=悪モノなんですね。
あなたは大丈夫?中性脂肪の値とその見方
中性脂肪の基準値は健康診断の結果でも教えてくれますが、
一応まとめると以下のようになります。
・正常値は30~149mg/dl
・異常値は29mg/dl以下または150mg/dl以上
体格や体質、体調など人によって、適当な数値は変わりますので、
上の正常値の範囲内に収めることが重要です。
人間ドッグでは、中性脂肪値が150~249mg/dlの場合は『要経過観察』、
250mg/dl以上の場合は、『精密検査または治療が必要』だと言われるでしょう。
人によっては1000mg/dlを超える場合もあるそうです。
まとめ
中性脂肪って、太ってる人が高いって思われがちなんですが、
そんなことないんです。
痩せている人も注意が必要なんです。
命に係わる病気の引き金ですからね。
毎年の健康診断、
診断結果をたいして見もせずに捨ててしまわずに、
中性脂肪の値を毎年チェックしておくと
病気の予防につながるはずです。